レベルアップによる能力値の上昇法則の検証

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最終更新 2008.09.08
作成 2008.08.26
調査・分析 右弐
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検証データの採取方法

各キャラクターの基準値の決定のために必要なデータを取り、同時にその過程で集まったデータを用いて、上昇値の決定法則の検証を行いました。

基本的な方針として、
「あるキャラクターの、あるレベルの、各能力の上昇値」が、「どの基準値に属するか」
を確定できるまで、レベルアップを繰り返しデータを取っています。

例えば、「主人公 Lv13へのレベルアップ HP」の上昇値の測定では、
8 8 9 9 8 9 8 8 8 9 8 8 10
と13回の測定を繰り返し、10が出て基準値が8と確定した時点で終了しています。

また、この間には、他の能力値に関するデータも得られます。

HP : 8 8 9 9 8 9 8 8 8 9 8 8 10
MP : 6 6 6 6 6 6 6 7 7 6 6 7 7
力 : 4 4 4 5 4 5 5 5 4 5 4 4 4
早 : 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2
守 : 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1
賢 : 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2
運 : 3 3 3 3 3 3 3 4 3 4 3 3 3

これらHP以外のデータは、基準値を確定させるためには途中から無意味となります。
(MPでは9回目以降、力では5回目以降、その他は2回目以降)
つまり、途中から「HPの確定待ち」の状態になっているわけです。
しかし、仮説検定のためにはデータ量が必要なので、これらは基準値が決定したあとでも記録していきます。
(上昇値0,1,2については、ある程度の調査データがたまった後、記録を割愛しました。)

こうして、基準値を確定させると、「各基準値ごとの各上昇値の度数分布」が得られます。
上記のデータであれば、下のようになります。

表1:能力上昇値の度数分布 (主人公のLv13へのレベルアップ時)
基準値 1 2 3 4 6 8
上昇値 1 2 3 4 4 5 6 7 8 9 10
標本数計 13 26 13 13 13 13
観測度数 13 26 11 2 8 5 9 4 9 4 1

この作業を、調査対象のすべてのキャラクターの、すべてのレベルアップに対して行いました。
※調査対象キャラクター、レベルアップについては、このページの下部を参照ください。

上昇値の決定法則の仮説検定

結論

上記のように採取したデータをもとに、上昇値の決定法則を仮説として検定しました。
結論:有意水準5%では棄却されませんでした。
有効な対立仮説もありませんので、当サイトでは現在のところ、この法則を採択しています。(2008.09.01現在)

仮説検定に用いたデータ

「各基準値ごとの各上昇値の度数分布」を、調査対象すべてについて合計したものは、下の表2のようになります。


表2:各基準値ごとの各上昇値の度数分布と統計量 ※調査対象はページ末参照
基準値 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13
上昇値 0 1 2 3 4 4 5 5 6 6 7 7 8 9 8 9 10 9 10 11 10 11 12 11 12 13 14 12 13 14 15 13 14 15 16
確率 1 1 1 5/61/6 6/82/8 7/103/10 8/124/12 9/144/141/14 10/164/162/16 11/184/183/18 12/204/204/20 13/224/224/221/22 14/244/244/242/24 15/264/264/263/26
標本数計 1613 3399 3590 2990 2563 753 506 148 439 134 82 121 345 13
観測度数 1613 3399 3590 2522 468 1948 615 544 209 350 156 96 39 13 258 119 62 86 24 24 46 17 19 73 26 18 4 217 50 49 29 7 1 3 2
理論度数 1613
.00
3399
.00
3590
.00
2491
.67
498
.33
1922
.25
640
.75
527
.10
225
.90
337
.33
168
.67
95
.14
42
.29
10
.57
274
.38
109
.75
54
.88
81
.89
29
.78
22
.33
49
.20
16
.40
16
.40
71
.50
22
.00
22
.00
5
.50
201
.25
57
.50
57
.50
28
.75
7
.50
2
.00
2
.00
1
.50
両度数の差
(観測−理論)
0
.00
0
.00
0
.00
30
.33
-30
.33
25
.75
-25
.75
16
.90
-16
.90
12
.67
-12
.67
0
.86
-3
.29
2
.43
-16
.38
9
.25
7
.13
4
.11
-5
.78
1
.67
-3
.20
0
.60
2
.60
1
.50
4
.00
-4
.00
-1
.50
15
.75
-7
.50
-8
.50
0
.25
-0
.50
-1
.00
1
.00
0
.50
標準偏差σ 0.00 0.00 0.00 20.38 20.38 21.92 21.92 12.57 12.57 10.60 10.60 5.83 5.50 3.13 10.14 9.07 6.93 5.64 4.81 4.31 4.44 3.62 3.62 5.41 4.24 4.24 2.29 9.16 6.92 6.92 5.13 1.78 1.30 1.30 1.15
両度数の差
(単位σ)
000 1.49 -1.49 1.17 -1.17 1.34 -1.34 1.19 -1.19 0.15 -0.60 0.78 -1.61 1.02 1.03 0.73 -1.20 0.39 -0.72 0.17 0.72 0.28 0.94 -0.94 -0.65 1.72 -1.08 -1.23 0.05 -0.28 -0.77 0.77 0.43
正規分布
下側確率
0.93 0.07 0.88 0.12 0.91 0.09 0.88 0.12 0.56 0.27 0.78 0.05 0.85 0.85 0.77 0.11 0.65 0.24 0.57 0.76 0.61 0.83 0.17 0.26 0.96 0.14 0.11 0.52 0.39 0.22 0.78 0.67
カイ2乗値 2.22 1.38 1.81 1.43 0.82 2.68 1.45 0.64 1.90 3.47 1.20
カイ2乗分布
上側確率
0.14 0.24 0.18 0.23 0.66 0.26 0.48 0.73 0.59 0.32 0.75
青地:観測データ
緑地:検定統計量

仮説検定の方法

有意水準5%で検定するために、観測度数が、理論から予測される分布内において以下の区間内に収まっているかどうかを見ていきます。
・正規分布での下側確率を u とすると、  0.025<u<0.975
・カイ2乗値での上側確率を α とすると  α<0.05

検定する範囲を変えて2種類の検定をしてみました。

検定1.「各基準値」の、「各上昇値」について(正規分布:緑上段)

この仮説では厳密には二項分布ですが、標本数が多いので正規分布を用いて検定しています。
基準値13以外については、どの上昇値についても理論度数が5を超えており、正規分布による近似を行って構わない標本数です。(基準値13については標本数が少なく正規分布による近似ができないため参考程度)
下側確率がいずれも 0.025〜0.975 の区間に収まっていますので、仮説を棄却する理由はありません。

検定2.「各基準値」での、全上昇値について(カイ2乗分布:緑下段)

基準値ごとの全観測度数を対象に検定します。
上側確率がいずれも 〜0.05 の区間に収まっていますので、仮設を棄却する理由はありません。
なお、基準値3,4,5,6については、自由度が1であるためカイ2乗検定の結果は正規分布での検定の結果と同じになり、改めてこの検定をした意味はありません。(ここでも基準値13については標本数が少なく正規分布による近似ができないため参考程度)

まとめ

いずれの見方でも、仮説を棄却する結論は得られませんので、現在のところ、仮説を採択します。
ちなみに、1,2の検定でいくつか範囲から外れた値が出たとしても、それが即仮説の否定にはなりません。
複数の箇所で検定をすれば、そういう値が出るのは不自然ことではなく、その場合にはさらに全体を統計的に扱い、起き得ることなのかどうかを評価する必要がありますが、今回はその必要はなさそうです。

なお、基準値3,4,5,6でのデータでは、いずれも基準値の観測度数が理論度数よりもかなり多く、何かが隠されている可能性もあります。
この仮説に若干修正を加えたもので、より良く現象を説明でき可能性のある仮説として、
・乱数として離散的な値を仮定する
・四捨五入ではない何かで値を丸める
など思いつきますが、基準値8などでは基準値の観測度数が理論度数を大きく下回っており、全体をうまく説明するよりよい仮説は、現時点の私には思い浮かびません。
また、電源投入からのタイミングなどで乱数が偏ることなどがずれの原因であれば、そのメカニズムの解明が必要で、データ統計的に扱い仮説をいじくり回すだけでは真実にはたどり着けないことも留意すべきです。

以上を考慮し、現在の仮説でかなりの精度で現象を説明できていることも踏まえ、今回の調査はここで終えたいと思います。
今後、いずこかの賢者によりさらなる研究が行われることに期待します。
そして今後もし、より良い精度を持つ法則が発見されたとしても、今回検定した仮説は近似的に実用に耐えうるものとして残っていくと確信しています。

基準値の決定調査について

このページの最初の項で述べた通り、基準値が確定できるまで測定を繰り返しているため、観測時の人為的なミスを除いては、精度は100%です。


なお余談ですが、上昇値を決定するだけなら、だいたい10回程度の測定で十分です。

例えば「主人公 Lv22へのレベルアップ HP」の上昇値の測定では、
8 8 9 9 8 9 8 8 8 9 8 8 10
と13回、10が出て基準値が8と確定するまで繰り返し測定しています。

ですが実は、上記の調査においては、10個目のデータを採取した段階で「基準値が8である確率」が99.99%を超えます。
上昇値として8と9が出るのは、基準値が7か8の場合だけであり、このうち10回も7が出ていないことから基準値8がかなり濃厚だというのは直感でもわかります。
そのため、基準値調査としては端の値を出すまで粘るというのは若干やりすぎで、設定した水準を確率が超えた段階で調査をやめるのが、調査としては賢明な方法です。

しかし今回の調査では、法則そのものがまだ仮説の段階であり、仮説の確率を前提とした議論は極力避けたかったため、端の値が出ることをすべて確認する調査を行っています。

調査の対象キャラクターと対象レベルアップ

・主人公  Lv2〜Lv30
・ビアンカ(少年時代) Lv2〜Lv13
・ベビーパンサー Lv3〜Lv10
・ヘンリー Lv2〜Lv15
・スライム Lv2〜Lv30
・エビルアップル Lv2〜Lv20
・スライムナイト Lv2〜Lv30
・ビアンカ(青年時代) Lv12〜Lv30
・フローラ Lv9〜Lv30
・デボラ  Lv11〜Lv30
・男の子  Lv6〜Lv30
・女の子  Lv6〜Lv30
・サンチョ Lv21〜Lv30
・ピピン  Lv2〜Lv30


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