RTA観戦記 第1回DQ6RTA大会(2005.06.03一部訂正加筆)(2005.05.29作成)
大会の情報と結果
2005年5月28日(土)、東京大学五月祭にて東京大学ゲーム研究会が主催する、
『第1回DQ6RTA(リアルタイムアタック)大会』
が開催されました。例年、RTA大会は行われていますが、DQ6は初めてのことで、にわかに注目が集まっていました。
大会の出場者は3名で、左から「けい坊」さん、「シグ」さん、「たこ」さんの順に座っていました。
以下簡単な参加者紹介
  • 「けい坊」氏:大会前世界記録(9時間22分)保持者の1人。
    DQ6RTAに早くから手をつけており、今までの記録保持の履歴・現在の実力からみても第一人者。たぶん。ホームページはこちら→けい坊のホームページ
  • 「シグ」 氏:大会前世界記録(9時間22分)保持者のもう1人。
    地上で最も有名なドラクエRTAプレーヤー。おそらく。DQ1〜5まで1日でクリアしちゃう人。
  • 「たこ」 氏:低レベルプレイもこなす若武者。
    DQ6初回プレイがなんと1ヶ月前なのに、その後練習2回で10時間台の記録を叩き出したらしい。
大会は、けい坊さんが、9時間30分05秒というタイムで見事優勝されました。
(他のおふたりは、五月祭の開催時間の関係からか、リタイアという形となってしまったようです。)

(以下、2005.06.03加筆)
昨年駒場祭のDQ5RTA大会の際に観戦記を書いてくださったコダマツキミ氏が、今回も自サイトへたれゲーマー駄文内で観戦記を書かれたようです。
『ドラゴンクエストY』リアルタイムアタック観戦記
私と異なり、大会を最初から観戦されていたようですので全貌を把握したい方に特にオススメです。
訂正箇所(2005.06.03加筆)
プレイについて、観戦していた私が誤った認識をしていた部分がありました。 下記の2点を修正いたします。
・ムドー3戦に関する記述
 誤)けい坊さん、シグさんがともに2回ほど全滅
 正)けい坊さん0回(ただしリセット1回)、シグさんが3回
・けい坊さんのベストドレッサーコンテストのタイミング
 誤)デュラン戦後に、ドランゴを使いレベル7をクリア
 正)グラコス戦の前に、ピエールを使いレベル7をクリア
戦略上、重要と思われる部分に誤った記述をしてしまい申し訳ありませんでした。
ご指摘いただきありがとうございます。(>けい坊氏)
まえおき
到着したのが午後2時半ころだったので、後半の3時間ほどしか見ることができませんでした。
メモ等をとっていたわけではなく、間違いが含まれているかもしれませんが、ご容赦ください。
また、私「右弐(うに)」のDQ6に対する知識は、通常プレーヤーレベルです。この点もご容赦ください(?)。
観戦記
午後2時半ころ到着すると、案の定、前のほうから席がうまっていました。
やむなく後ろのほうの席に腰をおろし、これまでのラップタイムが書いてある黒板をとりあえず眺めてみると・・・。
最初のボスである、ブラディーポ戦までは、けい坊さん55分、シグさん53分と、拮抗した展開ながら、わずかにシグさんがリード。けい坊さんは、このボス戦までに不幸にも1回全滅したのが響いていたようです。
また、たこさんもここまでで全滅があった模様で、1時間30分台と、他の2人と比してかなり出遅れてしまっていました。たこさんだけがRTA大会初出場(他2人は複数回出場経験アリ)ということで、慣れない環境での序盤の緊張が響いたのかもしれません。
その後のタイムでは、ムドー3回目(←最後のやつ)撃破時点で、けい坊さんがトップ、以下シグさんたこさんと続いていました。
ムドー戦では、ムドーのとる行動パターンにかなり偏りがあるため、強さが運不運に左右されてしまうそうです。
ここでの2人のタイム差を生んだのは、けい坊さんは、全滅まで戦わず、リセットを用いたことのようです。
プレイした方ならご存知の通り、ここではムドー2回目、ムドー3回目と連戦になっています。「結果として全滅してしまったムドー戦」のうち、シグさんがすべてムドー3回目まで戦ったのに比べ、けい坊さんはムドー2回目で見切りをつけて早めにリセットをする展開となったのが、タイム差となったと考えられます。
また、たこさんはムドー戦全滅なしで乗り切ったようで、このへんのラップタイムはダントツで早くなっていました(ムドー1回目〜3回目までで40分くらい?)。運がよかったことも響いているかとおもいますが、ミスがでていればこれだけのタイムは出るはずがないことを考えると、序盤の緊張が解け、自分のペースでプレイできる状態になってきていたのではないかと思います。

・・・と、ここまでが、僕が観戦できなかった部分の簡単な推察です。ここから観戦できたプレイについてです。
(プレイ開始が8時半だったので、6時間経過したあたりから観戦したことになります。)
けい坊さんはグラコス戦、シグさんはライフゴットの襲撃イベント、たこさんはミラルゴ戦付近となっていました。DQ6は、後半で進行の自由度が高いので、けい坊さんシグさんはどちらが進んでいるのかわからない状況でした。
けい坊さんのグラコス戦、シグさんのイベント戦ともに、危なげなく終了したように思います。

けい坊さんは、ここでカルベローナが復活するので、バーバラにマダンテを覚えさせてからライフゴットのイベント戦に向かう方針の模様。
ここのイベントで出てくる敵は強いですが、教会で簡単にHP・MPを全快に出来る環境なので、毎回の戦闘でマダンテを撃つことが可能です。これを活用することで、先にこのイベント戦をしていたシグさんと比べると、短い時間で各戦闘を終わらせることができていたように思います。
・・・が、最後尾に配置しているはずのバーバラがマダンテを撃つ前に攻撃を受け、やられてしまうケースが2度もあったのがかわいそうでした。

シグさんは、ここでベストドレッサーコンテスト。(きれいなじゅうたん)をとったあとも、一気にLv7までクリアし、(賢者の石)をとる作戦のようで、ずっとコンテストをプレイしていた印象があります。Lv7では、スライムナイトのピエールを使っていたようです。

たこさんは、ミラルゴ戦。わりと序盤にこれまた最後尾に配置してるバーバラが死んでしまい、苦戦を強いられていました。(ゲントの杖)などで回復させながら、隙をみて攻撃。
通常プレイであれば、ランプの魔人を呼ばれてもメダパニが効くのでそう怖くはないのですが、そんな便利な呪文があるはずもないようで、(星のかけら)のメダパニ効果を使っていました。これですと、1匹にしか効果が及ばず、打撃を受け混乱から我にかえってしまうペースに追いつかないようで、徐々に押されてしまっていました。回復・防御などのほかの行動が忙しく、(星のかけら)を使うチャンスが頻繁には訪れないようで、やはりバーバラがやられてしまった影響が大きいようです。粘って戦うも、結局全滅してしまい、再挑戦となっていました。

4つの武具が最初にそろったのがけい坊さん。ゼニスの城のボスとの連戦に向かいます。
ここではキラーマシンガ戦、デュラン戦と強敵が続き、なおかつ負けてしまうと武具を没収されてしまうのでリセットするしかないというプレッシャーのかかる戦いだったようですが、あまり危ない場面はなく撃破しているように見えました。
そして、ドランゴを仲間にし、(雷鳴の剣)を使って最後の熟練度上げに入ります。
戦闘時間短縮のためか、地底魔城で戦う際、テリー1人だけにして戦っていたのが印象に残ります。しかも、実はLvの関係でテリーの熟練度は上がらないという・・・。
洞窟内でも馬車のメンバーに対する経験の扱いはフィールドと同様、というDQ6の仕様を使い切ってる感を受けました。こういう細かいところにやりこみレベルの高さを感じます。

その間に、シグさんは、グラコスを倒し、けい坊さんの後を追います。
グラコス戦では、最後尾のキャラ(バーバラ?)が死んでしまいましたが、安定して撃破していました。
プレーヤー3人とも、死者が出るときは最後尾のキャラ(とくにバーバラ)からになるようでした。戦術が練られている証拠といえるような気もします。
シグさんも、デュラン戦までの連戦を一発で撃破。
シグさんがここでけい坊さんの行っている熟練度稼ぎをしないならば相当差を詰めるのではないか、と思いましたが、やはりここでの熟練度稼ぎは必須のようで、けい坊さんとの差は縮まりません。

結局、2人のタイム差が大きく変わることはなく、ラスボスであるデスタムーア戦にけい坊さんが突入。
このころ、たこさんは、再度の挑戦でミラルゴを仕留めたあと、グラコスの撃破とスフィーダの盾の回収を進めようとしていました。
しかし、グラコスを倒しにいく途中には、仲間がバシルーラで飛ばされるという不運。ルイーダの店まで飛ばされてしまうという辛い仕様に泣かされます。
スフィーダの盾回収の際も洞窟内でバシルーラで仲間が飛ばされてしまい、ここはボス戦がないから大丈夫かな?と思った矢先にフロストギズモ4匹に吹雪を連打され全滅。
再度の挑戦も再びフロストギズモ4匹に回り込まれ、全く同じ形で全滅。
連続不運に見舞われさすがにかなりこたえたようで、けい坊さんのラスボス戦が始まるころから、自身のプレイを進めることはやめ、観戦にまわっていたようです。

デスタムーアには3形態あり、(世界樹の葉)(メガザルの腕輪)など貴重な消耗アイテムを駆使するため、負けるとリセットが必至となるそうです。
ラスボス戦に入ったけい坊さんのプレイ映像に、一斉に注目が集まります。
部屋の後ろの扉が開け放してあるので、これまでもふらっと見に入っては出て行く流動的な観客が5〜10人くらいはいたのですが、ラスボス戦と見るやそんな人たちもふらっと出て行くはずがなく、観客の人数も一気に増加。
後ろのほうはみんな立ち見&背伸び見で戦況を見つめます。野球の接戦ゲーム9回裏みたいな雰囲気。
戦況のほうはというと、第1形態はそんなに危なくならずに突破していたんだと思います。(←実はよくわからない)
第2形態に入ると、死者が出るのは免れないようで、逐一(世界樹の葉)で復活させながら戦います。復活させるので戦況は安定しているように見えますが、死者が出るたびに首をかしげていたけい坊さんの様子から、(世界樹の葉)の枚数には全く余裕のない戦いであることがうかがえました。また、第3形態に入った直後の攻撃が強烈であるらしく、全快で第2形態を撃破しなければならないといった制限がかされているようで、与えたダメージを計算することが必須のようです。
そして第3形態に入ると、すぐにバーバラがマダンテ! 今度はマダンテを撃つ前にやられてしまうようなこともなく、400超のダメージが敵全員に入ります。そのあと、ザオリクを使う方の手から倒すのは、通常の攻略と同じのようです。(←あたりまえか)。
このへんから(世界樹の葉)を使い切ったらしく、どんどん死者が増えていきます。このペースで死者が増えたら倒す前に全滅なんじゃないか?、とDQ6素人の僕は思っていましたが、3人くらい死んだところで、(メガザルの腕輪)があることを思い出し納得。死者が出てもけい坊さんは全く動じた様子を見せない理由がわかりました。
(メガザルの腕輪)を装備したアモスが最後に死亡し、全くロスなく完璧な形で全員復活。これまで死者がでるたびに歓声や悲鳴が起こっていた緊迫した雰囲気が、一瞬にして弛緩しました。
そして、けい坊さんの背中からも、どうやら勝利を確信したような安堵感が漂ってきてました。
結局、生存者がまだだいぶ残った状態で撃破することに成功。みごとな戦術でした。
また、ラスボスでは行動の選択肢が多そうなのにも関わらず、コマンド入力に迷いがなく、非常に早かったことが印象に残ります。

その後遅れてシグさんがラスボス戦へ突入します。
終盤のボス戦では、けい坊さんシグさんともに、大体同じような戦術を取っていたように思います。
主要な攻撃方法は、せいけんづき、まじんぎり、もろばぎり、(雷鳴の剣)のライデイン効果。
(ラミアスの剣)のバイキルト効果、気合ため、も使って、攻撃を強化していました。
このなかで、通常プレイでは普通あまり使わないと思われる『もろばぎり』を主力として使っていることが特に印象に残りました。確実に攻撃が当たる特技の中では最も効率がよいのでしょう。さらに前半では『すてみ』まで使っていたそうです。
ラスボス戦ではバイキルト気合ため状態の『もろばぎり』を使った本人が、攻撃後に170もダメージを食らって死亡、なんてこともあり、通常プレイとの違いを垣間見た気がいたしました。
また、上記のようにダメージを強化してから攻撃するので、一発で数百のダメージが出ることも普通で、見ていて気持ちのいいものでした。(←僕の個人的な感性)
主要な回復方法は、(ゲントの杖)と(賢者の石)で、回復呪文は補助的に使っていく感じだったと思います。
そして、終盤のボス戦での主要メンバーは、ドランゴ、ハッサン、テリー、主人公。
これは、おそらく呪文をほとんど使わない(というか覚えない?)ため、MPが多いミレーユやチャモロらが必要とされないからでしょう。バーバラはマダンテが撃てるので、この2人とはちょっと扱いが違うようです。
打撃のために力の高いキャラを、回復アイテムの使用にHPの高いキャラを選択した結果のメンバー編成なのだと思います。ラスボスでも全員のLvが24とかなので、通常プレイでは初期Lvが低い印象を受けるテリーがかなり強いです。

シグさんは、けい坊さんよりも(世界樹の葉)の枚数が少なく、勝率が低い状況だったようですが、戦闘を進めます。しかし、第2形態の途中で、トラブルが発生。
どうやらダメージ計算に用いていた電卓がバグってしまったようで、その後ダメージ蓄積量を勘で判断し戦い続けていましたが、結局(時の砂)を使ってやり直し、となってしまったようです。

一般公開の時間が6時までなので、ここでシグさんのボス撃破は時間内に終えられないことが確定してしまいました。(一般公開終了後も戦っていたようですが、結局リタイアとなってしまったそうです。)
それにしても、『第2形態を撃破するタイミングが最も重要、ゆえにダメージ量計算必須』という高度な戦術を強く印象付けられました。

けい坊さんはエンディングを進め、プレイ開始から9時間30分05秒TheEndを迎えます。
ムドー戦の不運などがあり、自己記録には及ばないものの、一般の観客が観戦していられる時間(6時まで)になんとかTheEndロゴを見せつけた力量はすばらしいと思いました。
というか、不運がなかったら9時間22分という記録は破れる戦略を、けい坊さんがもっていたことは確かでしょう。
この大会記録は、今後の世界記録更新を予告していると言っても過言ではないような気がいたします。

シグさんは、フィールド上、戦闘中とあいかわらずのコマンドの早さでした。
DQ5だけをRTAプレイしている僕の感覚からすると、これは想像以上にすごいことです。
なぜかというと、彼は他のドラクエもやりこんでいるからです。
ドラクエは、作品ごとにコマンド入力の細かいルールが違います。コマンドの位置や、カーソルの初期位置などが違うので、他の作品をプレイすることはマイナスになります。
とくにDQ6はシリーズ中唯一便利ボタンの位置が違うなど、細かいルールどころか大きく違う部分もあり、まさにシグさんのような『マルチドラクエプレーヤー』泣かせといった仕様です。
その上であのスピードと正確性は、すばらしいの一言につきると思います。

たこさんは、上の2人に比較すると明らかに準備不足の感は否めませんでしたが、世界記録保持者を前に『初心者代表』(←注:当日掲示の中でのコメント)として、何度全滅してもあきらめずプレイに挑んでいく姿には好感が持てました。今後の活躍に期待いたします。
普段は低レベル攻略を主にされるそうですが、新たな切り口のRTAにチャレンジされることを、一人のRTAプレーヤーとしては勝手に期待する次第です(ぉ。
あとがき
今回なぜ、大会を見に来ようと思ったかというと、単純にプレイが見たいということ以外に、次のような理由がありました。
半年前の駒場祭ではプレイヤーとして大会に出場させていただいたのですが、観戦者として大会を見たことはなく、一度は観戦者としての立場で大会を体験してみたいという思いがありました。
そして実際に観戦者の立場になって改めて気づいたこと。それは複数人のプレイを同時に見れる、ということの特殊性と面白さです。
複数人でプレイしているからこそ、あるプレーヤーの戦略が優れているとかいうことが顕著に「見える」のです。Lv上げがその後のボス戦の時間を短縮するのか、といったことも、違う戦略で進めている相手がいなければプレイをしている「その場」ではわからない、「見せられない」ことなのです。
「大会」と「世界記録のプレイのビデオ上映」というものの違いとしては、今までは単にライブ感があるかどうかだと思っていたのですが、この「複数人のプレイを同時に見せる」という特性が、逆に個々のプレイの特徴を浮き彫りにし、それをリアルタイムで「見える」ようにするために必要な要素なのだと、改めて認識させられました。
また、「ライブ実況」は、ライブ感はありますが、「複数プレイ」という特性は(今のところ)持ち合わせていないようです。この点が大きく「大会」とは違います。
以前ネット上でのRTAの文字実況を見ていた際に、「なにか大会とは違う気がする、でも映像がないということではない」という漠然とした感覚を持っていたのですが、今回観戦することでその感覚の原因に気づくことができたのは、プレイ観戦を楽しめたということとは別に、僕にとってはひとつの収穫だったといえます。
そして、それに気づく場を提供してくださった方々に、感謝の意を表させていただき、観戦記の締めくくりとしたいと思います。
大会を主催されたゲーム研究会執行陣の方々、プレーヤーのけい坊さんシグさんたこさん、ありがとうございました。そしてお疲れ様でした。

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■DQ6RTA大会観戦記
・大会の情報と結果
・修正箇所
・まえおき
・観戦記
・あとがき


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