キャラクターの成長方式 ドラクエのシステム分析

執筆 : 右弐  /  作成 : 2004.12.16  /   最終更新 : 2013.02.23

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はじめに

ドラクエ5~8の4作品を、キャラの成長方式の観点から分析し、筆者の感想とあわせて記述しています。自分に合うドラクエはどの作品なのか、またはその理由を考える材料になるかもしれません。ストーリーに関するネタバレ記述はありません

なお、このページは2004年のドラクエ8発売直後に公開したものです。2005年以降のリメイク作品について書かれたものではないことに、ご注意ください。2013年2月時点でのリメイク作品については末尾に加筆しています。

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作品ごとのシステムの差

まず、5,6,7,8のキャラクターの成長方式について表にまとめてみよう。

作品名 強さの指標 成長の方法 ステータス 行動の幅
(呪文・特技)
キャラクターの
個性
DQ5 Lv 経験値 反映する
DQ6 Lv 経験値 反映する
職業 - - 無視
熟練度 戦闘回数 無視
DQ7 Lv 経験値 × 反映する
職業 - - 無視
熟練度 戦闘回数 無視
DQ8 Lv 経験値 反映する
スキル 経験値 選択の幅として反映

◎とか△とかは、その「強さの指標」が、「ステータス」や「行動の幅」に与える影響の大きさを表している。 僕の主観が入ってしまっているような気もするけど、プレイした人はみんな大体こんな風に感じてるはずだ。と、いうことにして話しを進める。表の上から順に見ていこう。 (4以前も扱いたいのだが、そうすると3の面白さの理由について延々と語ることになってしまいそうなので、そのうち機会があれば)

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ドラクエ5

DQ5では、キャラの強さの指標はLvしかない。だからキャラクターのLvアップがそのまま成長につながる。成長には何の混乱もない。製作者側の意図したキャラクターの個性が完全に保たれるが、その反面、プレーヤーがカスタマイズできる部分がないので、繰り返しプレイする魅力に欠けるシステムともいえる。この問題を克服するためか、仲間にできるキャラクター(モンスター)の種類が必要以上に多い。同じキャラの成長を何度も楽しめない代わりに、毎回違うキャラをの成長を楽しめるようにしていたと考えられる。でも、いつも使うキャラは同じになってしまうんだけど。笑

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ドラクエ6、ドラクエ7

強さの指標は3種類

DQ6、DQ7では、(ダーマ神殿復活後の)ある時点でのキャラクターの強さは、Lvそのときに就いている職業それまでに稼いだ職業熟練度という3つの強さの指標により決まる。その3つが、キャラクターの強さにどのように影響するかは、大雑把に以下のように考えておけばよいと思う。(詳しくは上の表を参照)

次に、これら3つの成長の方法から、キャラを強くする方法を考えていくと、以下のようになる。

  1. Lvは経験値で上がる → 強い敵を倒したほうが効率がよい。
  2. 職業の選択は自由で成長はない → その時々で必要なステータスが高いものに就いた方がよい。
  3. 熟練度は戦闘回数のみに依存 → 有用な呪文・特技を覚える職業に就き、弱い敵を手早く倒したほうが効率がよい。

分析

まず、「1」「3」が完全に相反しています。ステータスを上げたいならLvを上げるのがよいので「1」を、行動の幅を広げたいなら熟練度を上げるのがよいので「3」を選択することになります。で、普通にストーリーを進めると、「1」の方を選択している感じになります。DQ7ではその度合いが特に大きいです。

さらに、「2」「3」の対立も見逃せません。有利なステータスを持つ職業と、有利な特技を覚える(=行動の幅を広げる)職業が同じとは限らないからです。このため、ザコ戦など普段の冒険を進めるときは「3」で進んでいき、ボス戦などで行き詰まると「2」を選択することになります。ボス戦でも戦闘回数は1回としかカウントされず、熟練度を上げたい職業で倒すメリットは全くないので、この選択が賢明といえます。

以上がDQ6,7の成長システムの特徴です。強さの指標が3つあり、それぞれの成長の方法が完全に乖離しています。それに加え、「1」「3」「2」「3」という、「3」を中心とした2つの対立があります。このためプレーヤーは、キャラをどのように強くしたいかによって取るべき方法が異なります。ステータスと行動の幅(呪文・特技)の両方を効率よく強くしていく方法はないので、どちらをとるかのジレンマに陥ることになります。

個人的な感想

僕は、このシステムがあまり好きではありません。その理由をここから述べたいと思います。というわけで、ここからは僕個人の問題ですが、僕と同様に「6,7はいまいちだったな」と感じている方々の共感を得られることを期待し、書いていきます。

僕は、RPGはストーリーを追ってプレイするのが一番楽しいと思っています。しかし、このシステムは

普通にストーリーを追いつつ進めていくと、成長の効率が悪い

ため、好きにはなれないのです。

プレイした方ならお分かりのこととは思いますが、DQ6,DQ7は、中盤以降Lvアップで行動の幅がほとんど増えません。特にDQ7で顕著です。行動の幅を広げるには、熟練度を上げるためだけに戦闘回数を重ねる必要が出てきます。必要と言うと言い過ぎな気もしますが、熟練度を上げる効率を考えればそうせざるを得ません。熟練度が上がるギリギリの弱さの敵が出る地域に行って、戦闘回数を稼ぐのが最も効率がよいのです。 ずいぶん前にクリアした地域まで戻って、必要な特技を覚える職業で熟練度稼ぎのためだけの戦闘を行った後、戦闘に有利なステータスを持つ職業に転職し、ストーリーを進める。自然とこういう風にしたくなってしまいます。 これではストーリーを追いつつ成長して攻略、という流れを楽しむのは難しいです。

ストーリーを追ってプレイをするのが楽しいのに、システムに「ストーリーを追うな」と言われているような感覚を与えられているような気がします。効率なんて無視してストーリー追えばいいじゃん、と思うかも知れませんが、成長に対して非効率(あとで苦労する)とわかってしまった上で、素直にストーリーを追って楽しむことは無理です。

僕はストーリーを追って進めるのが結局は一番効率がいい、というシステムが好きであり、ゲーム全体としての完成度も高いと思っています。ストーリーと関係ない寄り道をする方が実は効率がよい、というのでは、ゲームの統一感がなくなってしまいます。 例えば、もしカジノを必ずプレイしなければクリアできない(もしくはプレイすると非常に有利になる)システムだったりしたら、なんでそんなことさせるの?と思うはずです。熟練度稼ぎもストーリーと関係ないという意味で、これに近いものだと思います。

ストーリーと成長の相反性

こう書くと、「Lv上げもストーリーを妨げるから、熟練度稼ぎと同じなんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、そこには決定的な差異があります。Lvは経験値で上がっていき、ストーリーを先に進めたほうが経験値を得る効率は上がります。効率よくLv上げをしたければできるだけストーリーを進めたほうがよいのです。進めなくなったところでLv上げをするのが普通は最も効率がよいです。

これに対し熟練度稼ぎは、Lvに応じた弱すぎない敵との戦闘回数で決まるので、ストーリーを進めて経験値の多い敵を倒し、Lvが上がることは効率の観点からみて不利になります。なるべくLvが上がらないように、弱い敵の出るところに留まって戦闘を繰り返すのが効率がよいです。 つまりLvと経験値というシステムはストーリーの進行を推奨しますが、熟練度と戦闘回数というシステムはストーリーの進行を妨害するのです。

こう書いてみると、DQ6,DQ7はシステムそれ自体はそこまで悪いわけではなくて、熟練度の成長システムがつまらなく感じた主要因な気がしてきます。戦闘回数だけに依存するなんて、ほとんど破綻していると思います。なのに、DQ7でも全く同じシステムが踏襲されていたときは、正直驚きました。

異なる2つの成長の指標(Lvと熟練度)を設けるのであれば、その2つともに「まともな」成長の方法を用意しなくてはだめです。FF5のジョブポイントような量を設けるなどは良い方法でしょう。また、成長の方法を複数設けなくても、すでにある経験値という量で一元化する方法もあります。DQ8ではこれを採用して、統一感のあるシステムに仕上がったと思います。

その他

ほかに感じた問題は、キャラによる職業制限やメリットが設定されていないことです。職業を自由に選べることにより、キャラの成長に個性が無くなります。この問題については、プレーヤーがカスタマイズできる幅が広がった、キャラの個性はプレーヤーが色づけするゲームなのだ、とも考えられます。

ただ個人的希望としては、キャラに職業適性のようなものは持たせてほしかったです。バーバラとかマリベルは、魔法使いなら普通の1/2の回数でマスターできるかわりに、戦士は2倍かかる、というような。やはりキャラにある程度の個性をもたせたほうが、感情移入しやすく、戦闘もストーリーも楽しめると思います。その点でも、DQ8のスキルシステムは僕にとって好感触でした。

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ドラクエ8

相反性の解消

DQ8のキャラの強さの指標は、「Lv」と「スキル」の2つです。 2つとも経験値をベースとしています。何の混乱もジレンマもありません。スキル上げはLv上げと完全に同じ作業になりますので、ストーリーを進めることが奨励されるシステムといえます。

これにより、成長はLvアップの時と一元化されていながら、スキルポイントでプレーヤーがカスタマイズできます。余談ですがスキル振り分けの上限値が、Lvにより制限を受けるのは、2つの強さの指標が乖離してしまわないようにするために必要な措置だと思います。あくまでLvが主で、スキルはオプション、という位置付けを明確にしていると言えるでしょう。

これにより、DQ6,DQ7で良くないと僕が感じていた部分のほとんどが改善されました。職業の熟練度のアップを経験値ベースにして、転職できる職業をキャラクターごとに制限して、ダーマ神殿に行かなくても転職できるようにした感じ、と言えばよいでしょうか。

キャラクターの個性

Lvで決まる部分はキャラの個性を反映することは当然ですが、スキルというカスタマイズできる部分が強すぎるとやはりキャラの個性を壊す可能性はあります。しかし、両者はかなり良いバランスであると思います。

DQ6,DQ7と違い、絶対に必要と思われる呪文や特技はLvアップで覚えるようになっていて、プレーヤーは安心して好きなようにスキルポイントを振り分けることができるようになっています。ここでも、あくまでLvが主で、スキルはオプション、という位置付けが明確にされています。

そもそも、各登場キャラクターとは独立に別個用意された感のあるDQ6,DQ7の職業とは異なり、各登場キャラクターそれぞれに用意されたスキルシステムでは、個性を壊すことがないのは当たり前のことかも知れません。

能力の継承

最後に、スキルで得た能力の継承ができることについて。これは何のことを言っているかというと、職業に就いているという概念がないので、獲得した能力は常に発揮できる状態にあるということです。・・・ってこれじゃ説明わかりづらいですね。具体例を挙げます。

例えば、DQ6,DQ7のスーパースターをマスターして高確率で敵が見とれるようになったり、賢者をマスターして最大MPが増えたりしても、他の職業に転職してしまえばその能力は発揮されなくなってしまいます。一方、マスターしたらその状態で戦ってもそれ以上職業熟練度は上がらないので、マスターの能力の利用と成長は、両立し得ないものになっていました。 またDQ7では、賢者のマスターになってMP消費量が半分になったのに、その上級職のはずの天地雷鳴士に就くとまたMP消費量が多くなる、という理不尽な状況もありました。

職という概念がなくなったため、こうした問題は一掃されました。今回も敵が見とれる能力とかMPが増える能力とかがありますが、それら獲得した能力は常に発揮できる状態にあります。だからDQ6,DQ7のマスターの能力のように、現状を強くするために成長を犠牲にすることもありません。ホントにDQ6,DQ7は成長とストーリー進行を分けろ、と強要してるようなシステムだったとえるでしょう。

改善された3点

ドラクエ8で改善されたと思われる点は、まとめるとつぎの3点です。

  1. キャラの成長の方法を経験値に一元化 → ストーリーを進めることの奨励
  2. Lvとスキルの適度なバランス → キャラの個性を保ちつつプレーヤーに選択の幅
  3. スキル能力の継承 → 現状で強さを得ることと、成長とが対立しない

この3つともが、ストーリーを追ってプレイして楽しむというスタイルには都合がよいので、僕はドラクエ8は久々に面白いドラクエだなと感じました。(2004.12.16)

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追記 2013年2月 

リメイク作品に関して

この8年間でリメイク作品が発売されました。
DSドラクエ5、DSドラクエ6では成長システムにはさしたる変更はなく、このページの分析はそのまま適用できます。
最近発売された3DSドラクエ7では、大きなシステム変更があったようです。「その職に就いているときしか、その職で習得する技が使えない」という要素が追加されているようです。このページで触れた「2」と「3」の対立が若干解消されたと言えそうです。ただ、「1」と「3」の乖離は解消されていないようです。

追記の経緯

つい先日、ドラクエ7が3DSでリメイク発売されました。
良いタイミングと思い、このページを読み返しました。8年前に書いたものですが、私の現時点での考えもほぼ同じであったため、ページを整形し直し、また、表現的にも若干の修正を加え、引き続きの公開に耐えるよう手を入れました。
(2013.02.11)

執筆の意図

このページでは、私はドラクエ7に関してかなりの厳しい評価をしています。それをあえてWeb上に公開するのは、ドラクエ7からプレイヤーを遠ざけるという意図ではありません。
ドラクエ7をプレイして、ドラクエ7は自分に合わない、と感じたプレイヤーが、他のドラクエからも遠ざかってしまう事態は少しでも減らしたい、というのが執筆の意図です。ドラクエ7が自分に合わなくても、面白いと感じるドラクエは他にあります。私もその一人です。
(2013.02.23)

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