PS版ドラゴンクエスト4 リカバリーTA大会 観戦記

主催:東京大学ゲーム研究会  開催:2010.11.21  /  記述者:右弐  最終更新:2010.11.24
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はじめに

目次

第1問 /  第2問 /  第3問 /  第4問 /  第5問 /  全体の感想

今大会の関連サイト (2010年11月24日現在)

2010年11月 ドラクエ4大会[PS版]  ※この観戦記はこの大会のものです
 ○ PS版ドラゴンクエスト4 リカバリーTA < 東京大学ゲーム研究会 ※公式サイト
 ○ けい坊の日記 < けい坊のホームページ ※結果と運営側視点の感想
 ○ 観戦記:まんさくさん < 勇者の里 南東のほこら ※結果と当日の展開の記述が詳しい
 ○ PONの日記(2010.11.24) < PONの部屋 ※問題作成者視点での解説
 ○ にゅすけさんの日記(2010.11.21) < にゅすけ的やり込み攻略 ※低レベルへの誘導に関する話題

ドラクエのリカバリーTA 関連サイト (2010年11月22日現在)

2010年3月 ドラクエ5大会[PS2版]
 ○ 2010春PlayStation2版 DRAGON QUEST V リカバリータイムアタック大会  < 東京大学ゲーム研究会
 ○ 観戦記:にゅすけさんの当時の日記(2010.03.21) < にゅすけ的やり込み攻略
 ○ 観戦記:まんさくさん < 勇者の里 南東のほこら
 ○ くねおさんの友人の感想 < Tales of Kuneo

2008年11月 ドラクエ5大会[PS2版]
 ○ PS2版ドラゴンクエスト5リカバリーTA大会結果報告 < 東京大学ゲーム研究会
 ○ 観戦記:まんさくさん < 勇者の里 南東のほこら
 ○ 観戦記:にゅすけさんの当時の日記(2008.11.23) < にゅすけ的やり込み攻略
 ◇ 観戦記:右弐

リカバリーTA全般
 ○ 東京大学ゲーム研究会 (リカバリーTAという競技を最初に世に送り出した団体)
 ○ PS2版ドラゴンクエスト5 リカバリーTA大会 < 東京大学ゲーム研究会 (初回大会時の競技趣旨など)
 ○ えぐちの日記(2010年1月1日〜1月13日) < えぐちのホームページ (えぐちさん:競技の趣旨と魅力など)
 ○ Making of Recovery TA [1]〜[6] < ATP合成日誌 (0-shiさん:メイキングにまつわる裏話など)
 ◇ リカバリータイムアタックに関する考察 (右弐:採点方法や競技運営に関する考察)

第1問

問題内容

クリア条件:第2章クリア
調査時間 :5分
制限時間 :45分

簡単な状況説明:
アリーナLv10、クリフト・ブライLv1でエンドールからスタート

プレイ観戦記

9時開始に到着は無理・・・だったため、10時ころ到着したところ、ほぼプレイが終わった状態でした。
席の位置の関係で、イリアスさんとえぐちさんのテレビが良く見える状態だったので、本観戦記は、この2人についての記述が多くなると思います。
イリアスさんがレベル上げの際にメタルスライムを倒せた影響で、ぶっちぎりですでにクリアしていました。
プレイヤーごとに若干戦略が違ったようですが、結局レベル上げと武術会の運が大きく作用したようです。

問題の構成としては、以下の3つの運の要素が大きく響く様子。
・レベル上げの際のエンカウント
・サイモン戦の会心や薬草を使用されるか
・ベロリンマンの打撃の当たり方

特に、後半の2つに関して負けた場合、武術会をある程度勝ち進んだ上でのやり直しとなるため、相当のタイムロスを強いられて、一見運勝負になるように見えます。
しかし、コインを1000枚所持しているため、カジノでさらに稼いで(スパンコールドレス)を取得するという分岐をとると、安定して撃破できるようになるように設定されています。私自身、昔プレイした記憶によるとアリーナLv7か8で勝ったことがあります。確実に勝てるかどうかまでは検証していませんが、LV11程度ではほぼ必勝でしょう。
このあたりの勝率に関しては、PONさんの日記(2010.11.24付)に詳しく解説されています。

で、このカジノでさらに稼ぐのも運勝負・・・かに見えますが、個人的な見解としては、この運勝負をかけるタイミングこそがリカバリーTA上では重要で、「武術会を勝ち進んだ後の全滅の可能性」と、「セーブデータから再開した瞬間にできる運勝負」ではタイムアタックとしての勝負のかけ方として後者が有利です。
実際のプレイでは、えぐちさんのみがこのカジノをちょっと考えすぐにやめてLv上げに移行したようで、誰もその戦略分岐をとらなかったのは残念ではあります。配布されたリーフレットにある参考タイムによると、(スパンコールドレス)取得のほうが期待値的には圧倒的に有利だったようで、この問題が運勝負となる展開となったのは問題設定のせいばかりではないようです。

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第2問

問題内容

クリア条件:バルザック+撃破
調査時間 :10分
制限時間 :60分

簡単な状況説明:
(魔法のカギ)取得直前のデータ。
キャラのレベルはそこそこだが、装備が全くない。すでに回収できるアイテムも破棄されている。パノンがパーティーにいる。

プレイ観戦記

えぐちさんのプレイが圧倒的。調査時間に戦略のみならず手順まで最適化した感がありました。
私が見ていて気付いたミスはほんとに些細な2点のみで、一度バトランドに飛んだことと、稼ぎの際に(口笛があるのに気付かず?)コナンベリー東の森まで行っていたことくらいです。確かコナンベリー南の海岸線にはすでにメタスラが群生していたはず。
海鳴りの祠に一人で突っ込むなどの小技もきちんとこなすなど、事前の準備の成果が出ていたようにも見えました。回収行動、(キラーピアス)の費用捻出、買い物、メタスラ稼ぎの順番なども迷いがない。
イリアスさんも準備はほぼ同じ手順でしたが、勇者の(もろばのつるぎ)をダメージソースにしたところでボス戦での安定度には差が出ていたように見えました。ただ、戦略的に違うプレイを見られたのは見ている側としては楽しいものでした。
真珠さんは、安定を考えてメタルスライムではなくハバリア周辺で稼ぎに入ったようでしたが、武器がない状態では逆に通常の敵の方が厄介という結果となり、うまく安定させられず裏目に出たようでした。ボス戦に関しては、パノンを使うという戦術を採用しており楽しかったです。

どのプレイヤーも、キングレオにはルカニ後の打撃、バルザック+にはマーニャのメラミ、と基本を押さえた上での戦略分岐であり、DQ4において絶対必要な要素と、戦略の自由度を残せる部分とが良く分かるプレイでした。

問題設定としても、勇者のみLv7と極端に低く、トルネコのみLv25と極端に高いのですが、プレイヤーは皆ボス戦で勇者を使い、トルネコを使わなかったのが印象的でした。一方、コーミズ西の洞窟など移動ではトルネコが活躍します。
勇者の勇者たる所以と天空装備品の強さがわかる一方、トルネコへの役割配分も忘れない(?)という、問題作成者のキャラへの愛を感じる問題でした。

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第3問

問題内容

クリア条件:「〜の杖」と名前のつくアイテムを3種類入手する
調査時間 :10分
制限時間 :45分

簡単な状況説明:
ガーデンブルグから開始。
勇者Lv7、ライアンLv16、アリーナLv15、マーニャLv10、他は初期レベル。
すでに回収できるアイテムは(ちいさなメダル)を除きほぼ回収済み。破棄されている。パノンがパーティーにいる。

プレイ観戦記

やっぱり来ました恒例のアイテムコレクターズ問題。
(マグマの杖)(りりょくの杖)はすぐ手に入るので、残りの1本をどうするかという趣旨。
博打系の戦略含め、いろいろと戦略分岐は用意されていたのですが、プレイヤー全員が正攻法である盗賊バコタ撃破を目指しました。
イリアスさんとえぐちさんはほぼ同じ戦略だった様子ですが、リレミト習得キャラを殺してしまった差分が効いてえぐちさんの勝利となりました。えぐちさんのプレイ内容自体は、ボス戦に負ける可能性がある状況まで追い込まれたり結構危なかったですが、こういう状況で頼りになるアリーナの会心でなんとか撃破し、撃破の時点でほぼ勝負ありました。
真珠さんはクリフトを採用したのが裏目に出た様子。洞窟の道中の敵が強いので低レベルのクリフトが足を引っ張りました。

今回観戦していて、私にとってはこの問題のプレイでの攻防が一番面白かったです。

この問題は、開始早々にイリアスさんが道中で偶然はぐれメタルとエンカウントし、これを倒していましたが、まんさくさんの観戦記によるとここで4分半ほどレベルアップ時間があったようです。
実はこの「はぐれメタル戦」の最中、イリアスさんとえぐちさん両者の表情を観察していたのですが、戦闘開始から撃破の瞬間までほぼ手放しで喜んでいるように見えたイリアスさんと、それを全く表情を変えずに見ているえぐちさんを見て、この問題は勝負あったのかなと思いました。
RTAでは、はぐれメタルは気をつけて倒さなければいけない敵で、低レベルキャラがいる状態で不用意に倒してしまうと大幅なタイムロスになります。それはドラクエ4も例外ではないはずです。
結局2ターン(か3ターン?)逃げなかったため打撃で撃破。
この対処について、プレイ後にイリアスさんやえぐちさんと話していて気づいたのですが、馬車殴りが正解だと思います。1ターン目に低レベルキャラを並べて打撃、2ターン目に「打撃でもギラでも死ぬキャラひとり」を外に出して馬車殴りすれば、少なくとも1人分の経験値取得は免れたはずです。(実際に状況を再現して検証したわけではないのではぐれメタル相手に馬車殴りが発動するのか、発動したとして通常通りダメージを与えられるのかは分かりませんが。)
実際、そんなことにプレイ中に気づくかと言われれば相当厳しいと思いますが、今大会は実況によりプレイ状況がリアルタイムでアナウンスされていたことも踏まえ、実況のけい坊さんが、もし
「イリアスさんは馬車殴りを使って低レベルキャラを死なせつつはぐれメタル撃破!これはうまい!!」
とか叫ぶような展開になっていたら、えぐちさんの動揺を誘う可能性もあったと思います。
というか、それくらいやらないと倒せないような安定感が、この日のえぐちさんにはありました。

もっとも、タイムや安定度的に見て、はぐれメタルを撃破できる確率を最大にするように動いた方が戦略的に正しいのかもしれません。
ただ、はぐれメタル出現から撃破まで手放しで喜んでいた(ように見えた)イリアスさんには、少なくとも油断と甘さがあったように見え、これがえぐちさんを追い詰め切れなかった要因かと感じました。
それはこの瞬間の平然としたえぐちさんの表情からも、読みとれたような気がします。一方のえぐちさんは、準備の道中で偶発したエンカウントで、このような万一のはぐれメタルとの遭遇に備えてか、きちんと低レベルキャラを盾にして結果として死なせつつ逃げていたところには隙の無さを感じました。

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第4問

問題内容

クリア条件:デスピサロ撃破
調査時間 :10分
制限時間 :150分

簡単な状況説明:
希望のほこらについたところ。
ブライ、トルネコがLv1、他はLv15程度。
アイテムは回収されており、手持ちのアイテム、装備、Gも十分にある。

プレイ観戦記

大筋でプレイヤー全員が王家の墓ではぐれメタル狩り→ボス撃破、の流れ。
はぐれメタル狩りに関しては、私があまり詳しくないので、誰の運が良かったのかすらわかりません。
ドラクエ8でもそうですが、狩りの最中にレベルアップにより戦力が大幅に変化していく(とくに素早さ)場合、どう対処するのが正解かがめまぐるしく変化し、最適な戦い方を取り続けるのも非常に難しいはずです。さらに対戦状況が判断にもからんでくるので、狩りにおける運と実力の割合がどの程度なのかはよくわかりません。

結局、狩りを早く抜けたえぐちさんがそのままゴール。というより、狩り終了の時点から結界四天王撃破の過程で、さらに差が広がっていったように見えたので、一概に運で勝負が決まったというわけではないと思います。
RTAでプレイする際と遜色のない戦力が整ってしまう展開となったので、この問題はRTAプレイヤー有利となってしまいましたが、真珠さんは移民の町の仕込みをしっかり使った上でクリアしており、この点に気づいたことが順位に反映させられなかったのは悔しい結果だったと思います。
レディースタウンで買える(天使のレオタード)が非常に優秀で、とくに他の耐性防具を装備できないアリーナの耐久性が大幅に向上します。
これに気づけるのが、制限攻略プレイヤーなんだなと感心しました。
というか、RTAプレイヤーはこういう「通常のやりこみ系要素」について圧倒的に経験が不足するので、順位には響きませんでしたがプレイ内容としてはその隙を見事に衝かれた形となっていました。

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第5問

問題内容

クリア条件:エビルプリースト撃破
調査時間:10分
制限時間:90分

簡単な状況説明:
エビルプリーストと戦える状態でスタート。
レベルは全員30台。もちろんピサロもいる。
装備は捨てられないもの以外は全くない。

プレイ観戦記

ここまでの得点状況で逆転を狙う立場に置かれたイリアスさんはいきなり突っ込む。
一方、真珠さんはGを、えぐちさんは経験値を稼ぐ戦略。
結局、経験値を稼ぎ、勇者のギガデインを覚えたえぐちさんが効果的に最終形態を戦って逆転で1位撃破となりましたが、イリアスさんの判断は見応えのあるものでした。
観戦していて、えぐちさんの経験値稼ぎの意図は、「2位までをキープできる状況でボス戦を始めればよいから、他のプレイヤーを様子見しつつレベル上げ」かと思っていたのですが、最終的にギガデインが目的だったとわかったときは衝撃を受けました。
こんな戦い方を調査時間の10分で気付くとか、本当にヤバすぎるこのプレイヤーは!・・・とか思っていたのですが、dqmaniacさんが過去に為された「PS版DQ4:装備禁止クリア」の攻略法を適用したとのことでした。
いや、この戦術に10分で行きつくんだったらもう本当に別次元なので、誰も勝てないから大会とか出しちゃダメだろとか思い、観戦中から気が気ではなかったのですが、プレイ後に前例を流用したという真相を聞いてほっと胸をなでおろしました(何。
事前の準備段階でレポートを読んでいたとのこと。準備のクオリティもすさまじいと思います。
ちなみに、知っているか知らないかによって結果に差がつく問題に関しては賛否が出そうな気がしますが、該当レポートは誰もが読める状態に公開されており、事前調査しているかどうかというだけの問題ですから有利不利はないといえるでしょう。
攻略本や攻略サイトに載っている基礎データにとどまらず、「対ボス戦術」というのも情報の一種であり、それは普通の場合、攻略レポートとして発表されているというだけのことです。専門的な最先端の研究は、多くの分野で論文調の媒体で発表され、それはやり込みの世界でも例外ではないということでしょう。
えぐちさんが戦術を有効活用して勝利したことで、dqmaniacさんのレポートが時代を超えてやり込み界の財産となっていることに光が当たった点も良かったと感じています。

なお、モンスター図鑑完成まで間近なセーブデータであり、完成するとカジノコインが30万枚入手でき、費用を捻出できる関係で装備を増強することができました。えぐちさんは状況的に最も安定クリアを目指すべき立場であったため、勝ったものの、悔しそうにしていたのが印象的でした。
一方、イリアスさんは敗れはしたものの、この第5問で勝負をかけた正しい決断を下せたことで、非常にすがすがしい表情をしていたのが印象的でした。

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全編を通じての感想

問題内容とプレイについて

えぐちさんは圧巻の強さでした。
自身の日記にもありましたが、これまでのリカバリーTA経験が準備期間の短さをカバーしていたように思います。また、短期間といえども、質の高い準備をされていたことも勝利の要因といえるでしょう。
プレイした戦略に関して、「十分に練ると結果的にその戦略になる」のは、まあわかるのですが、「そこにたったの10分でたどりついている」ということに驚愕しました。
また、ゲームに限らない勝負強さと安定感が随所ににじみ出ていたように思います。

イリアスさんは、前回の2008年のドラクエ5大会や、今年の五月祭でのドラクエ3RTAのときとは見違えるような強さを身につけたように感じられました。
特に最終問での潔い攻めの判断は見事でした。2008年の大会では、最終問で攻めきれられなかったのと対照的で、単にゲームのやり込み能力に留まらない総合的な成長を感じました。

真珠さんは、自身のやり込みの方向性が大きく生かせる問題があまりなかったため、苦しい戦いを強いられていました。これは自身でもプレイ後におっしゃっていました。
また、RTAプレイヤーの持つ、移動・戦闘・回収・買い物といった要素をすべてタイム換算していく感覚がないと厳しい問題が多かったのは事実だと思います。そういった中で、移民の町を第4問で唯一使ったのは光っていたと思います。

どの問題も、最速の戦略は「ボスを撃破するもの」となっていたことがRTAプレイヤー有利に働いたことは間違いないです。
2010春のドラクエ5の大会で、RTAプレイヤーではないPONさんが優勝されたのは、「結局最速の戦略にはボス撃破は必要ない」という問題が、全6問中2問あり、そのRTAプレイヤー有利とは一概にいえない土俵において臨機応変に五分以上の戦いを見せたからだと思います。
このあたりの調整は、今後リカバリーTAを企画される方が、どういう勝負を演出したいのかに関わってくると思います。

また、ドラクエ4というゲームの特性が非常によくわかった大会でもありました。
・メタル狩りが容易であること
・ラスボスのHPが高いこと
この2点により、「RTA並みにレベルを上げて速攻撃破」というのが最適戦略になりやすく、この方向にプレイヤーが流れないようにする調整は相当に難しいと感じました。
このあたりの話題については、にゅすけさんの日記(2010.11.21)でも触れられています。

問題設定に関して、カジノ・移民の町・メダル景品・モンスター図鑑完成に至るまで、ドラクエ4の特色を使い切った設定は本当に素晴らしいと思います。
特に、第6章で作問することにより初めて可能になる「モンスター図鑑完成」を出題に採り入れたことには非常にセンスの良さを感じました。これは、プレイヤーが誰も気付けなかったことからもわかる通りです。
ただ、それだけに個人的にはこの第5問の勇者の名前が「オーキド」という、ポケットモンスターのネタがヒントに仕込まれていたことが残念でした。
実は、この種の事例は以前から見られていて、たとえば2010年春のドラクエ5大会では第2問でドラクエ4ネタが仕込まれヒントとなっていたりしています。このときは私はプレイヤーとして参加していたにもかかわらず「ドラクエネタ」のため全く違和感はなかったのですが、すでにこれはドラクエ5の実力以外のものが作用する要因となっていたのは事実です。
このあたりの線引きは、今後この競技をどうしていきたいのか、今後開催する運営陣の判断によるところが大きいのでしょう。

運営システムに関して

今回、運営面に関しては大幅に進歩したのではないかと個人的には感じています。
事前のリーフレットの内容が充実したことでドラクエ4にそこまでの知識のない私でもかなり深いレベルで観戦を楽しむことができました。

制限時間まで含めた問題難易度の調整は今までよりもうまくいっていたように思います。
単に制限時間や調査時間を伸ばしたという効果はもちろんあったと思いますが、プレイヤーに情報を紙で配布したことにより調査時間の「密度」が格段に上がったため、調査時間10分というのは今までのリカバリーTAの形式に換算した20分程度の価値を持っていると推測しています。
さらに、所持金による制限を問題のメインに据えたくない第3問・第4問などは、明らかに不足しないであろうGを最初から持たせているなどの配慮も、プレイヤーを対戦のメインテーマに誘導する適切な配慮だったと思います。
これらの準備と、ドラクエ4は使用できるキャラ数やアイテム数が少ないなど戦略が組みやすいゲームだという背景とがあいまって、クオリティの高いプレイを引き出したと思います。

けい坊さんの日記に、「プレイヤーに情報を紙で配布したことにより、調査プレイ時間が見ていてつまらなくなる」という趣旨の記述がありましたが、実はこの調査時間は観客も配られたリーフレットを読む時間に充てていたりするので、全然退屈ではなかったと思います。(私だけかもしれませんが。)
むしろ予習にちょうど良く、読み終わってポイントが頭に入ったころでプレイ開始、と絶妙なタイミング設定となっていたと思います。

解説に関しては、今回はマイクを用いて全プレイヤーに聞こえるように行っていました。
これにより、プレイヤーは他人のプレイを見る余裕があるかによって生じる情報量の差による優劣が付きにくくなりましたが、その要素を排除しても対戦としては十分成り立つように見受けられました。席順などによる優劣をなくす効果もあるので、この形式のほうが対戦としても良いとも思えます。
もっとも、今回解説を担当されたけい坊さんの力量によってうまくいった部分も大きく、いつもうまくいくわけではなさそうなので適任者がいない場合は解説無しが無難だと思いますが、仮にそうなったとしても事前配布のリーフレットの内容充実により、十分に楽しめたと思います。

さいごに

第4回を迎えた東大ゲーム研究会のリカバリーTAですが、企画は大成功であったのではないかと思います。
非常に面白かったです。
今回私は、ドラクエ5のときとは異なり、知識的にかなり一般プレイヤーに近い立場で見ているはずですが、無理なく楽しめたということは、システム的には完成に近い状態になってきたのではないかと思います。
いち観戦者として、問題作成や会場の設営、当日の運営など、特に準備にあたられた方々に感謝いたします。
また、プレイヤーの方々、お疲れさまでした。良いものを見せていただき、ありがとうございました。
  2010.11.22 右弐

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